まいにちが好きでいっぱい

楽しく生きるための毎日の備忘録

【舞台】泊まれる演劇ホテル・インディゴ

f:id:s_2moon:20230416000403j:image開催概要

2023/03/03(fri.)-04/24(mon.)
HOTEL SHE, OSAKA
#ホテルインディゴ #泊まれる演劇

宿泊(体験)費; 一人21,000円~

 

お伽噺に泊まる

ねぇ、覚えてる?
眠れない夜に母が読み聞かせてくれた 美しい女と高貴な男が結ばれる、あのお話。
不気味な老婆は最期に息絶えて、 めでたしめでたし。

この世界ではお姫様が禁忌を犯すことはないし、 悪魔と天使も決して恋に落ちない。
でもそれって、ほんとにほんと?

星降るホテルで貴方がひらくのは、 暗くて苦い、お伽話の裏への扉。
角砂糖みたいなお話は、また今度ね。

Story

藍色煉瓦の歪な洋館、インディゴ・マイヤーズ・ホテル。
オーナーであるマイヤーズ夫妻の養女として育てられたエマは、その風変わりなホテルでメイドとして働いていた。
数年前、夫の死をきっかけに経営が傾き始めたホテルを、妻のテス=マイヤーズは閉館しようと考えていた。
唯一の居場所が失われることにショックを隠せないエマ。物憂げにロビーの天井を眺めていると、シャンデリアが星空のように光を放ち、美しい歌声がホテル中に響き渡った。

その夜を境に〝星の降るホテル〟として噂が広まったインディゴ。古くからマイヤーズ家と交流のあった実業家・フィルの協力もあり、徐々に人気を取り戻していく。

今宵は、宿泊客を招いて開かれる初のパーティー。時が来ると、いつものように星空へと姿を変えるシャンデリアに声をあげる宿泊客だったが、違和感を唱える者が...。

夢と現実の境界線は失われ、夥しい声とともに姿を現す藍色の亡霊たち。

 

tomareruengeki.art

(公式HP)

星降るホテルに泊まってきた

オンラインで2年前とかにMidnight Motelに参加してからいつか絶対参加しようと決めていた泊まれる演劇。藍色飯店も気になってはいながらタイミングが合わないなあと思っていた矢先、好きなコンセプトの次回作が発表になったのが今回の「ホテル・インディゴ」。

一次の抽選でここならいけそうと目星をつけていた日が当たったので、無事に参加が叶いました。

 

シングルルームで一番安い水曜日(26,000円)、それでもビジホに比べたら普通に高いけど、ホテルじゃなくて「泊まれる演劇」。歌舞伎座で桟敷席で観劇するのと同じくらいと思えばそれくらいかなあと思えました。

実際に体験をした後だと、やっぱり価格としては妥当だなあと思いました。住んでいるのが大阪だから、宿泊なし体験だけ一万とかだったら絶対何回も通っている自信があります。

宿泊することにもっと意味があるんだったら・・・感がちょっとやっぱり否めない。笑

でも本当に素敵な夜になりました。大体3時間くらいの体験時間でしたが、本当に3時間も経っていたのかと思うくらい、夢みたいな時間が流れました。

物語の入口はチェックインから

まさかそこからもう世界が始まってるとは思わないじゃあないですか。事前の注意事項の説明も、そのホテル・インディゴのメイドさんがしてくれていると言うていになっていて、ナチュラルに「わたくしのことは〇〇って呼んでくださいね♪」と自己紹介されてびっくりしました。

どきどきしながら説明を聞いて、誓約書を提出して、可愛いルームキーを渡されて、いざお部屋へ。

青を基調にした薄暗い廊下が続きます

実際に宿泊した部屋

レコードが置いてあって使おうとしたのですが、多分円盤についている擦り傷で音は流れず・・・笑 でもインテリアとして凄く雰囲気が出ますね。

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そう言えば、事前に追加料金をお支払いして、招待状も受け取っていました。素敵なお誘いが届いてからずっと今宵を楽しみにしていたので、これも忘れずに持っていきました。

 

さて。少し部屋で休んで、パーティーが開かれる時間にロビーへ向かいました。

物語は始まらない

メイドさんに案内されるままにソファの端の席へ座って、いつ始まるんだろうとどきどきしていました。すると隣にいる人に不意に話しかけられました。

フレンドリーな方だと思っていたら、その人こそ物語の登場人物の一人。始まる、始まらないじゃないんだなと、その時気が付きました。

だってホテルにチェックインした時点で物語が紡がれ始めていたんです。

ロビーの彼方此方でお話が盛り上がっていて、パーティーの始まる前のざわめき・ときめきがいっぱいに満ちているようでわたしもそわそわしてしまいます。

 

隣に座っていて、「ねえ、見て」と話しかけて来てくれたのはシーラさん。問いかけられるままに色々なお話をしたのですが、それらがこの後に繋がって来るとは思わなくて、この席に案内された始まりから何だか運命じみたものを感じてしまいました。

 

星が煌めくロビー

オーナーのお話を聞いていると始まるショータイム。

天上いっぱいに輝きが広がりました。

 

 

赤が印象的だったお部屋

 

室内とは思えないお庭があるお部屋

 

お菓子がちりばめられたようなお部屋

 

内緒話をしたお部屋、色々な道具が並ぶ

 

物語の世界を生きること

人によって体験出来る内容が違うのがイマーシブ・シアターの良いところ。わたしはたいてい一人で参加することが多く、一人であちこちふらふらしているので、たくさんの人物とお話を楽しんだり、時には登場人物と二人きりで館内を歩いたり、お話をしたり・・・

自分が今、このお話の中を生きていて、一緒に物語を紡いで、謎を追いかけていることがたまらなくどきどきして、時には怖くなったりして。

考察をするのが結構難しい物語ではあったけれど、物語が終わった後、特に良く話をしていたシーラやナイクと「どうか素敵な夜を」と言葉を交わせたことがわたしのこの日の夜の全てでした。

何がハッピーエンドで、バッドエンドかは人それぞれですが、わたしにとって今回の物語はシーラの行く先が幸せになってくれることだなと振り返った今では思わずにはいられません。

ちなみに

ロビーでは限定のフードやドリンクをいただくことも出来ました。わたしはあまり興味がなく(笑)注文はしなかったのですが、お洒落なメニューが並んでいました。

体験が終わった後、参加者の皆と語らいながら食べて、飲んで過ごすと楽しさがまた更に変わってくるんでしょう。

お洒落なカクテル

限定のフードメニュー

朝食も選べます

 

夢から醒めて

醒めてしまえば本当にあっという間でした。

思い返してもまたあの世界に行けたら・・・なんて考えてしまいます。朝、ベッドの中でまどろみながら空きがないか探してしまったくらい。笑

 

星降るホテルはもうないけれど、あの日あの夜得られた時間はわたしにとって確かにたくさんのときめきをくれたかけがえのない時間になりました。

公式Twitterより引用

 

イマーシブ・シアター作品が数ある中で、夢のようで、非現実的で、時にダークだけれど、とてもロマンチックな作品。

素敵な物語と出逢うことが出来て幸せでした。またいつか参加したい!